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2014.02.20 10:41

宗介復讐計画 第1話 by ドイワー

暗い部屋。おそらく学校の一室だと思われる部屋の電気は消されすべての窓には黒いカーテンが引いてある。
その部屋には会議などに使われる横長い机が置かれそこに椅子が4つ。机の上には炎が揺らめく蝋燭が置いてある。
「諸君、今日ココに集まってくれたことに感謝する。ではこれより『相良宗介復讐計画』を始めたいと思う」
おもむろに4人のうちの一人が口を開いた。4人は皆マスクをかぶっており顔を隠しているようだ。
「では念のため人員点呼を行う。№4!」
「は、はい!」
「№3」
「はい」
「№2は俺だな。№1」
「ウム」
皆№2の声に返事をする。口調からして№2よりも1のほうが上と言う事が伺える。
「ではまずは・・・№4。お前だったな」
「そうです。朴は彼に色々恨みがありますから・・・・ね!」
そういいながら№4はマスクをとった。その下に出てきた顔は・・・
「そうだな。№4・・・いや、風間信二!」
「相良君・・・いつぞやの部活争奪戦において君をメンバーに選んだおかげで写真部は・・・くぅ・・!」
「わかる・・分かるぞその気持ち・・・で、風間。お前はどのような復讐を?」
「ふふ・・相良君も所詮男!自宅では何をしてるか分かったもんじゃない!それを撮って脅してやるんだ・・・写真部の名にかけて!」
「ふむ・・・よし。いけ!№4!」
「ラジャー!」
そういうと№4こと風間信二は勢いよくその部屋を駆け出して行った。それから若干の間がありおもむろに№3が口を開く。
「ねぇ・・・アイツで大丈夫なの?100%失敗すると思うけど」
「俺も成功するとは思っていない。だがアイツは数少ない相良と話し合える者だ。ならば、と思ってな」
「ふぅん・・・」
その会話を最後に皆散るように部屋を出て行った。

「ソースケ!どうしたの?」
かなめが勢い良く宗介の背を叩く。
「千鳥か・・・。いや、最近誰かの視線を感じている。誰かは分からないがどうも・・・」
「そんなのま~たいつもの勘違いでしょ!それよりも五時間目の日本史!大丈夫なの?」
「む・・・・・・!」
その言葉に宗介はこめかみに脂汗をたぎらせる。日本史とは宗介が苦手とする科目の一つ。そして5時間目はそのテストである。
「あ~あ~知~らないっ。どーなっちゃうのかな~軍曹殿は」
「千鳥。あまりココでその名は使うな・・」
「了解。了解」
かなめは宗介をからかうように答える。
「しかし視線が・・・」
「だぁかぁら!気のせいだって!」
そう言うとかなめのハリセンが牙をむいた。しかしその視線は間違いなくあった。教室の隅にいる人物、風間信二が放っていたものだった。
(相良君・・・教室ではあんな感じだけど・・・絶対化けの皮暴いてやる!)
風間の瞳には大きな炎が燃えていた。

(・・・やはり誰かに見られている・・)
宗介は帰り道そう思った。
「ソースケ!まさかあんたまだ視線とか気にしてるの?」
「千鳥・・・何故分かった?」
「伊達にアンタといっしょにいないわよ」
どうやらかなめは宗介と共にいる事により観察力や洞察力が大幅にアップしたらしい。まぁ今はどうでも良いが。
「うむ・・・だがどうしても視線を感じるんだ・・一体誰だ?」
「はぁ~・・・あんた戦場育ちで神経研ぎ済まされすぎじゃない?街中なら誰でも視線くらい感じるわよ?」
「うむ・・・そういうものか?」
「そういうものよ」
宗介はかなめになだめられその場をすごした。しかしその裏には野心に燃える風間の姿があった。その右手に愛用カメラを抱えて。

「じゃあな、千鳥」
「じゃね。ソ-スケ」
いつものように簡単な挨拶をした後宗介は部屋に入り部屋のスイッチをつける。自分の部屋でも決して周囲への注意は逸らさない。
(やはり・・・いまだに誰かに見られている・・・誰だ?)
おかしいと思いつつ宗介はあたりを見渡す。しかし当然誰もいない。
(クソッ!一体・・・なんなんだ!!)
一方ココは宗介の部屋の窓から見える大きな木。そこにはカメラを持つ怪しげな少年が・・・
(フフフ・・・相良君焦ってるな~まぁいいや。さっさとぼろを出してくれないかな?)
それから30分
(・・・さっきからモデルガンの手入ればっかして・・・それよりも年頃の男の子なら見そうな本とかあるだろ!)
ちなみに風間はモデルガンだと思っているが実弾こそ出ないもの宗介が手入れしている銃器類はそのすべてが本物である。
(む・・・この銃は調子が悪そうだな・・・明日試験をしてみるか・・・ん?)
宗介はふと窓の外に目をやった。長い間戦場で育った勘、とでも言うべきか。とにかく窓の外に目をやった。
するとそこにはなにやら人影のようなものがあった。
(・・・なるほど・・)
宗介は突然立ち上がり隣の部屋に行った。
(おぉ!?ついにか!ついに相良君の知られざる物語が始まるのか!!これから大人のセカイに入っていくのか!!
いったい何が出て来るんだぁぁぁぁ!!??)
なにやら妄想にふける風間だがそんな時間もピリオドが打たれる。
「貴様、そこで何をしている?」
(・・・・!?)
風間の後頭部にはサイレンサーをつけた銃を持つ宗介がいた。
「貴様・・・風間か?こんなところで何を・・!まさか、今日の視線はお前か!?」
「い、いや相良君、僕は決してそんな事は・・・」
「だとすると・・・目的は千鳥か!?」
「んなっ・・・!そそそ、そんなことないよ!」
「ならばその右手に持っているものは何だ!」
「え、あ・・・いや、これは・・・その・・!」
風間は慌てて右手のカメラを投げ捨てる。しかしもう後の祭り・・
「そうか・・・以前あったときは千鳥の下着を盗み取ろうとしていたな・・・今度は盗撮と言うわけか。なるほど。知識をつけ
俺に近づいてきたところまでは良かったが・・・ツメが甘かったな。風間、貴様の正体は何だ?何所の機関に雇われた?KGBか?
CIAか?FBIか?それとも・・・」
「なな、何を言ってるんだって!そんな所に雇われるわけないじゃないか!!普通の高校生の僕が!」
「そうだな・・・確かに『普通の』高校生ならばな」
「え?」
「思い起こせばおかしかった。かなめの部屋のベランダに忍び込む技術といい・・・軍の兵器やASについての知識といい・・・
お前のその行動力や知識は並外れている。」
「そそそそそそ、そんな~~!!」
「悪いが、危険は開花するうちに摘まねばならん」
「わわわ・・や、やめて・・」
宗介は無言で風間の腹部にゴム弾を3発ほど打ち込んだ。風間は重苦しいうめき声を上げ木から落ちた。
その後宗介は偶然ベランダの洗濯物を取っていたかなめにみつかり恐ろしいほどにこっぴどかれた。
「や、やはり俺の勘違いか・・・?」
「あったりまえだぁぁぁぁぁぁ!!!」
宗介はかなめの渾身一撃のハリセン攻撃で今日は就寝となった。

そして翌日、例の謎の部屋。
「それでボコボコにされ逃げるように家に帰った?」
「は、はい・・・おまけに今日は目を合わせるのすら恐くて・・・ぼくはもう生きていけないかも・・・」
そこには今にも泣き出しそうな風間が正座で座っていた。
「まぁいい。オマエも頑張った。これからは気をつけて生活するがいい」
「は、はい・・・じゃこれで・・・」
そういうと風間は逃げるように部屋を出て行った。
「やっぱり駄目じゃん」
№3が口を開く。
「そうなったな。なら次はお前が行くか?№3」
「まかせなって。あたしは風間なんかとは違うんだから」
「よし。では№3次はお前が・・・」
「ちょっと待ちな!!!アタシに行かせてもらおうか!!」
「だ、誰だ!?」
「ククク・・・アタシもアイツには恨みがあったねぇ・・・・」
「お、お前は・・?」
№3が困惑した口調で言う。
「アタシの名は阿久津万里!アタシがアイツを地獄に送ってきてやるよ!」
そういうと阿久津はそういい部屋を出て行った。
「なるほど・・・」
「ちょちょちょ!あたしの出番は!?」
腕を組み納得したよう№2と明らかに納得のいかない№3がその後言い争ったのは言うまでもない。

  つづく


あとがき

今度は長編・・・しかもタイトルに反しギャグ系・・(汗
というか№1、2あたりは予想できちゃいますね、セリフや人物関係上・・・(汗
まぁ№3の復讐の動機は無理や理が多いので・・・わからないでしょう(多分)
一応キャラや復讐等は考えてあるんですが・・・問題は上手く表現できるか・・・
長くなってスイマセンでした。これが一人でも多くの人を楽しませる事をココに祈ります。

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