F-site

2014.02.20 10:42

宗介復讐計画 第2話 by ドイワー

相良宗介。以前私の弟を買収などという卑劣な手口で丸め込み私に苦渋を飲ませた唯一の男。
一瞬心を引かれたが所詮は弟が無事に帰ったという安堵感から生まれた感情。今度こそ
奴にも苦渋を飲ませてやる・・・しかし悔しいが奴は・・強い。弟の事があったにしても
奴の強さは異常だ・・・純粋な戦闘能力はもちろん情報収集能力、駆け引き、行動力・・・
とてもこいつらでは勝てそうにも・・・
「阿久津さん・・・阿久津さん!」
「・・え?あ、あぁ・・」
部下の掛け声により阿久津はやっと顔を上げた。先日宗介を地獄に落とすといいながらもその方法をまったく考えていなかった。
「阿久津さん、まだあの相良とかいうやつの事考えてたんですか?」
「ああ・・・まぁな・・・」
いきなり確信を突かれると素直に答えるしかない。いい忘れたがここは以前相良VS阿久津部隊が死闘(?)を繰り広げた廃工場である。
「阿久津さん、こういうのはどうですか?阿久津さんが色気使って相良を骨抜きにした後
俺たち全員でボコっちまう・・・うまくいきそうじゃないですか?」
「奇遇だねぇ。あたしも今あんたをエサに相良をおびき寄せることを考えてたよ」
「スイマセン・・・」
これはつまり『殺されたいか?』の遠まわしに言い方である。
(・・・やっぱり力押ししかないか・・・)
そう思いながらも阿久津は静かに考え込み続けた。

そして次の日。空は快晴、鳥は空とび生徒は学校へ行き靴箱は爆破され・・?
「ソ~~~~スケ~~~・・・・・・・・」
「・・・?どうした千鳥」
朝から靴箱を爆破などという常識外の行動をするのはもちろん相良軍曹である。
そしてそれを睨んでいるのが副会長の千鳥かなめである。
「それにしてもひっさしぶりのパターンだね~」
かなめの肩からチョコンと顔を出したメガネでおさげの女子生徒、常盤がそう言った。
「冗談じゃないわよ!!ココ最近ないと思ってたのに・・・は~これでまた教職員の印象が・・・」
「気にするなかなめ。これは俺の責任だ。すべてのケリは俺がつける」
「それが出来ないからあたしが困るのよ!!」
そう言った後待っていたかのようにかなめのハリセンが唸った。

「なにぃ!?靴箱爆破ぁ!?」
ここは例の廃工場。宗介に放課後ココへ来るように書いた手紙を部下に靴箱へ忍び込ませていた万里であったのだがその報告を聞き愕然とした表情となった。
「す、スミマセン!!ココ最近やってないんで大丈夫だと思ってたら・・・」
「ク・・・せっかく全員に召集かけたってんのに・・・」
「すみません・・・この一言に尽きるッス・・・」
「おいおい何やってんだよー」
「えー?なんにもないのー?」
この失態を犯した下っ端は同じ下っ端から数々の罵倒を浴びせられていた。と、そこへ・・・
「阿久津万里!相良宗介だ!!早くでてこいっ!!」
突如相良宗介が現れた!!
「な・・・相良なんで・・・いや、そんなことはどうでもいい!待ってたよ!」
そういいながらおもわず万里の口元が緩む。
「阿久津万里・・・これに書いてあるのはお前の本心なのか・・?」
「あったりまえだ!今日こそは・・・今日こそは!」
「なるほど・・・わかった。では言うぞ。返答はNO、だ」
一瞬の場の硬直。そして起こる耐え難い緊張の張り詰めた時間。それを破ったのは阿久津の情けない一言・・・
「へ?」
「悪いが俺はお前のことを存分に知っているつもりではない。また残念ながらお前のような
恋愛感情も持ち合わせていない」
「・・・何言ってんだ?」
「とぼけるな。今日俺の靴箱に入ってたこの紙切れのことだ。文章の大半は焼け飛んでしまったが幸運にもかろうじでその内容を読み取ることに成功した。では今から読むぞ」
そういうと宗介はポケットからぼろぼろになっている紙切れを取り出した。
「相良宗介君、今日の放課後、いつぞやの廃工場で待ってます。そこで本当の気持ちをあなたに見せたいと思います。じゃ!~阿久津万里~」
またも場に静寂が訪れる。それを破ったのは同じく阿久津だった。
「相良。もうお前に用はない。帰れ。それよりも・・・」
そういうと阿久津は手紙を靴箱に入れた男の顔をきつく睨みつけた。
「お前はちょっとこっち来い。それとお前ら、こっちこい。っておい!相良!お前は帰れ!」
宗介は言われたとおりその場をあとにした。その後廃工場から一人の男の悲鳴が聞こえてきたのは言うまでもない。

「千鳥、どうやら違ったようだが・・・」
「え?うっそぉ!・・おっかしいなぁ・・・絶対完璧だと思ったのに・・・」
「やはりあの女は俺に対し敵意しかもっていなかった」
「うーん・・ま、いいじゃん!」
補足しておくがこの会話からも分かるように紙切れを解読したのは宗介ではなくかなめである。
あの後いつかのように紙切れがありそれの解読に当たったところかなめが半ば強引に
解読を申し出たのだった。
「まぁ・・・今にして思えばあの人がこんなの出すわけないか・・・」

またもここは例の部屋。
「その顔を見る限りどうやら失敗したらしいな。」
№2がおもむろに語りかける
「・・・」
「はっ!あんだけいきがってたのに失敗かい」
№3が口を開く。しかし阿久津は何も言い返さない。
「今回は完璧にあたしの失敗だった。奴への復習はまた折を見てするから。じゃ。」
阿久津は教室を後にした。
「じゃ、次こそアタシだね」
「そういうことだ」
№3がそういいながらマスクに手をかける。
「相良宗介に復習をするのはこの私・・・」
マスクが地面におちる・・・
「稲葉瑞樹を差し置いて誰もいないわ!!」
右手を握りこぶしにして高らかと腕を振り上げならが彼女はそう言った。
「いつぞや私の恋人の振りをしたとき私の唇を簡単に奪いやがってぇぇ!!
ぜぇぇぇったい許さん!!!この罪は何よりも重ぉぉぉい!!」
「どうでもいいがしくじるなよ」
不安そうに№2は言う。
「まかせなさい。このアタシに」
そういうと稲葉は部屋を出て行った・・・

  つづく


あとがき

意味不明?かもしれませんが・・あぁ・・・万里についてもう少し調べておけばよかった・・・
しかも№3の正体がこいつって誰もが予想してなかったと思います。
最後にこれで誰かしらが面白いと思うことをココに祈ります。

web拍手 by FC2


←back

This site is owned by Sarira as F-site - 2025 Designed by Shiro