Please Kiss Me♪ 第9話 by 東方不敗
ちゅん、ちゅん……
「ん~、いい天気ですっ」
ぐ~って伸びをして、ベランダの縁によっかかると、ぽかぽかした陽射しが背中に浴びれる。
気持ちいい。
「テッサ……何をしているんです?」
「えっと……日向ぼっこです」
くすって笑いながらソースケさんに言ってあげる。
「そうですか」
すぐ横にまでソースケさんが来て、同じようにベランダの縁によっかかる。どこか満足そうな感じに、
「確かに、良い天気ですね」
「でしょう? 今日は学校休みですし、ゆっくりします」
「……それもいいかもしれませんね」
「はい。それに……」
「それに……なんです?」
じ~っとソースケさんの顔に目でうったえる。でもわかんないみたいで首をひねってる。
「わかりません?」
「……はい。申し訳ありませんが……」
「別に、あやまんなくていいんですよ」
あははって笑いながら言う。ちょっと息をすってから、
「でも、わかってくれたら嬉しいな……て思ったんです」
「……では、理解するよう努力します」
「そう言ってくれると嬉しいです」
にっこり笑ってから、ソースケさんのほっぺにちゅってキスしてあげる。
「テッサ……?」
「おはようのキス、です。ホントはソースケさんがやるんですよ」
「……そうなんですか」
「ええ、そうなんです」
ふふって笑う。ソースケさんは良くわかんないって顔でうなってるけど、まあ気にしない。
ぴんぽ~ん。
「誰でしょう?」
「さあ……。とりあえず、わたしが出ますね」
玄関に向かってって、かちゃって扉を開ける。そこにいたのは、
「あー、かなめさんじゃないですか」
「ええ。お久しぶりねえ、テッサ……」
「? かなめさん、なんか不機嫌ですね」
「いいえ、別に。にしても、昨日はやってくれたわねぇ」
「? 昨日?」
昨日って……
「あー、アレですか。でも、あれはかなめさんが悪いんですよ」
ぽんって手を打つ。わざわざ睡眠薬なんて用意して。
「うっ、そ、そりゃそうだけど……。ところでっ」
「はい?」
ぐいっ。
いきなり手をつかまれて引き寄せられる。何故か顔を赤くしてかなめさんが耳打ちしてくる。
「き、昨日は何もなかったでしょうねぇ……?」
「え、昨日って……」
昨日は……えっと……
か~。
「や、やだぁ……思い出しちゃった……」
「ちょ、ちょっとテッサっ! 何顔赤くしてんのよっ!? 何かやったのあんたっ!?」
「ええ、まあ、そうなんですけど……うふふ、もう、やだぁ……」
「て、テッサぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「へ?――きゃぅ!」
ぐいぃぃぃぃぃっ!
「あんたって奴はぁっ!? 何てことしてくれんのよぉ!」
「い、痛い、痛いですよかなめさんっ! 決まってますって、チョークチョークっ!」
ううっ、ヘッドロックは反則ですよぉ。
「や・か・ま・しいっ! こーなったらとことんいじめてやるわっ、くぬっくぬっ、くぬっ!」
「そ、ソースケさん助けてくださいっ!」
「? どうしました? テッサ……。む、千鳥。どうした、朝早く」
「あ、ソースケ。いやちょっとね」
「ううっ、そーすけさぁん、かなめさんがいじめるんです」
「……は?」
「な、何言ってるのよっ、いじめてなんかないわよっ!」
「じゃーこのヘッドロックはなんですか!?」
「う、こ、これは……。あーもううっさいわねぇ! だいたいあんたがなんかやったのがいけないんじゃないっ! あーもーむかつくっ!」
「あ、開き直りましたねっ! って、痛い痛い痛いっ!」
「問答無用っ!」
「ソースケさん、見てないで助けてくださいよっ!」
「むぅ……」
騒がしいけど、楽しい毎日。
たまにつかれたりするけど、それでもわたしはこの日常が好き。
だから。
ずっとこんな日常が続いていけばいいって、心から願う。
泣いて、笑って、怒って、また笑って。
そんな日常がいつまでも続いていけば良いって、思う。
そして、いつかは……
「ちょっとテッサっ! 何にやけてんのよっ!?」
「べ、別ににやけてませんってばっ! 痛い痛い痛いでですよぉっ!」
「俺は、どうすればいいのだ……」
――ソースケさん――
――わたし、待ってますからね――
――あなたが、言ってくれるの――
――結婚しよう、って――
――気、長くして、待ってますから――
――だから――
――できるだけ早く、言ってくださいね♪――
FIN--
後書きっていう物体
と、ゆーわけで、ここに『Please Kiss Me♪』ここに完結です~(ぱちぱちぱち)。
うん、やっぱり九話ぐらいになりましたね。まぁ、今回は九話はエピローグって感じになりましたから、実際は8話ぐらい。え、作品の出来? なんですかそれ?
まー、そんなことはこっちに置いといて。とりあえず、今回語ったのはソースケとテッサの同棲生活の最初の方って感じでした。だからテッサが恥ずかしがるんであんまりべたべたしない。エピローグではちょっと吹っ切れさせてみましたけど(笑)。
ま、今度はその吹っ切れたテッサでも書いてみようかなー、て思ってます。でも、とりあえず次に書くのは宗介×かなめな話なんで随分後になると思いますけど。
それでは、最後に。この文章を掲載してくださった管理人のさりらさん、それに感想メールをくださる皆さん、さっさと次の書けってチャットで催促してくれたUさんとRさん(笑)、みなさん、本当にありがとうございました~。
それでは、またお会いしましょう。東方不敗でした。