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2014.02.20 10:28

Please Kiss Me♪ 第9話 by 東方不敗

ちゅん、ちゅん……

「ん~、いい天気ですっ」

ぐ~って伸びをして、ベランダの縁によっかかると、ぽかぽかした陽射しが背中に浴びれる。

気持ちいい。

「テッサ……何をしているんです?」

「えっと……日向ぼっこです」

くすって笑いながらソースケさんに言ってあげる。

「そうですか」

すぐ横にまでソースケさんが来て、同じようにベランダの縁によっかかる。どこか満足そうな感じに、

「確かに、良い天気ですね」

「でしょう? 今日は学校休みですし、ゆっくりします」

「……それもいいかもしれませんね」

「はい。それに……」

「それに……なんです?」

じ~っとソースケさんの顔に目でうったえる。でもわかんないみたいで首をひねってる。

「わかりません?」

「……はい。申し訳ありませんが……」

「別に、あやまんなくていいんですよ」

あははって笑いながら言う。ちょっと息をすってから、

「でも、わかってくれたら嬉しいな……て思ったんです」

「……では、理解するよう努力します」

「そう言ってくれると嬉しいです」

にっこり笑ってから、ソースケさんのほっぺにちゅってキスしてあげる。

「テッサ……?」

「おはようのキス、です。ホントはソースケさんがやるんですよ」

「……そうなんですか」

「ええ、そうなんです」

ふふって笑う。ソースケさんは良くわかんないって顔でうなってるけど、まあ気にしない。

ぴんぽ~ん。

「誰でしょう?」

「さあ……。とりあえず、わたしが出ますね」

玄関に向かってって、かちゃって扉を開ける。そこにいたのは、

「あー、かなめさんじゃないですか」

「ええ。お久しぶりねえ、テッサ……」

「? かなめさん、なんか不機嫌ですね」

「いいえ、別に。にしても、昨日はやってくれたわねぇ」

「? 昨日?」

昨日って……

「あー、アレですか。でも、あれはかなめさんが悪いんですよ」

ぽんって手を打つ。わざわざ睡眠薬なんて用意して。

「うっ、そ、そりゃそうだけど……。ところでっ」

「はい?」

ぐいっ。

いきなり手をつかまれて引き寄せられる。何故か顔を赤くしてかなめさんが耳打ちしてくる。

「き、昨日は何もなかったでしょうねぇ……?」

「え、昨日って……」

昨日は……えっと……

か~。

「や、やだぁ……思い出しちゃった……」

「ちょ、ちょっとテッサっ! 何顔赤くしてんのよっ!? 何かやったのあんたっ!?」

「ええ、まあ、そうなんですけど……うふふ、もう、やだぁ……」

「て、テッサぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「へ?――きゃぅ!」

ぐいぃぃぃぃぃっ!

「あんたって奴はぁっ!? 何てことしてくれんのよぉ!」

「い、痛い、痛いですよかなめさんっ! 決まってますって、チョークチョークっ!」

ううっ、ヘッドロックは反則ですよぉ。

「や・か・ま・しいっ! こーなったらとことんいじめてやるわっ、くぬっくぬっ、くぬっ!」

「そ、ソースケさん助けてくださいっ!」

「? どうしました? テッサ……。む、千鳥。どうした、朝早く」

「あ、ソースケ。いやちょっとね」

「ううっ、そーすけさぁん、かなめさんがいじめるんです」

「……は?」

「な、何言ってるのよっ、いじめてなんかないわよっ!」

「じゃーこのヘッドロックはなんですか!?」

「う、こ、これは……。あーもううっさいわねぇ! だいたいあんたがなんかやったのがいけないんじゃないっ! あーもーむかつくっ!」

「あ、開き直りましたねっ! って、痛い痛い痛いっ!」

「問答無用っ!」

「ソースケさん、見てないで助けてくださいよっ!」

「むぅ……」

騒がしいけど、楽しい毎日。

たまにつかれたりするけど、それでもわたしはこの日常が好き。

だから。

ずっとこんな日常が続いていけばいいって、心から願う。

泣いて、笑って、怒って、また笑って。

そんな日常がいつまでも続いていけば良いって、思う。

そして、いつかは……

「ちょっとテッサっ! 何にやけてんのよっ!?」

「べ、別ににやけてませんってばっ! 痛い痛い痛いでですよぉっ!」

「俺は、どうすればいいのだ……」

――ソースケさん――

――わたし、待ってますからね――

――あなたが、言ってくれるの――

――結婚しよう、って――

――気、長くして、待ってますから――

――だから――

――できるだけ早く、言ってくださいね♪――

FIN--


後書きっていう物体

と、ゆーわけで、ここに『Please Kiss Me♪』ここに完結です~(ぱちぱちぱち)。
うん、やっぱり九話ぐらいになりましたね。まぁ、今回は九話はエピローグって感じになりましたから、実際は8話ぐらい。え、作品の出来? なんですかそれ?

まー、そんなことはこっちに置いといて。とりあえず、今回語ったのはソースケとテッサの同棲生活の最初の方って感じでした。だからテッサが恥ずかしがるんであんまりべたべたしない。エピローグではちょっと吹っ切れさせてみましたけど(笑)。

ま、今度はその吹っ切れたテッサでも書いてみようかなー、て思ってます。でも、とりあえず次に書くのは宗介×かなめな話なんで随分後になると思いますけど。

それでは、最後に。この文章を掲載してくださった管理人のさりらさん、それに感想メールをくださる皆さん、さっさと次の書けってチャットで催促してくれたUさんとRさん(笑)、みなさん、本当にありがとうございました~。

それでは、またお会いしましょう。東方不敗でした。

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