真夏のおもひで? 第3話 byグロ
―――トイレにて―――
このままでは……と思った宗介は問題を解決すべく、ある人物に電話で相談をしていた。また電話するということで千鳥に怪しまれたが、作戦本部からの電話だ、と言ってごまかしといた。
そしてトイレのなかに入り一通りの流れをそのある人物に電話越しに説明した。
『ふ~ん、で俺に相談したいと、そう言う訳だな。』
「ああ、その通りだ。お前しかいない、たのむ。」
『分かったよ、しかしお前が必死になって頼むとは、これいいね~』
やはり相談相手を間違えた……”クルツ”ではなくてマオに相談した方がよかったのだろうか……
『まあ、そうなったからにはちゃんと答えてはあげるぜ、相良軍曹。』
「うむ、よろしく頼む。」
『まあ一番の方法はテッサに本当のことを話すだな。』
「それはまずい、他のにしてくれ。」
そう言うのには訳があった。
いままでテッサといろんな事をしてきたりしたが、彼女はショック(特に恋愛的ショック)に弱いらしい。あのシージャック事件の時もずっと泣いていて、潜水艦の操縦どころではなかったらしい。もしも彼女がここに来て千鳥と会ったりでもしたら……
宗介はありとあらゆる場合を想定する……
case1.テッサはショックで寝込み、マデューカスが怒り、そして自分は歩けなくなるまで艦内を地獄うさぎ跳びさせられる。
case2.テッサはショックで気絶し倒れて怪我をし、マデューカスが怒り、そして自分はミサイルに積まれ発射される。
case3.テッサはショックで泣きこんでしまい艦の操縦不能になってしまい、そしてマデューカスが怒り、自分は………。
case4.テッサはショックで他の船員に八つ当たりするようになり、そしてマデューカスが怒り、………。
case5.テッサはショックで酷く落ち込み全体の士気が下がり、そしてマデューカスが怒り、………。
ざっと全部で五つのケースを挙げた、なぜかすべてのケースでマデューカスが怒っているのはさておき宗介は、
い、いかんいかんそうやって自分を不利な方向に追い込むな…
などと心の中で自分自身を励ましていた。そしてさっきの会話の続き……
『分かった。じゃあ他のにしよう。う~んと……』
クルツはしばらく考えた後に、こう言った。
『よし、じゃあ俺がテッサをなんとか引き止める。その間にお前はかなめちゃんとどこかえ”避難”しとけ。』
「それは無理だ。テッサはもうこちらに向かっている。今日の1830時に着くと言っていた。メリダ島にいるおまえじゃ間に合わん。」
『ちっちっちっ、いつ俺がメリダ島にいるって言った?』
「なに!?じゃあ今どこにいるのだ?」
『ふっふっふっふっ、実は今日本の有名な温泉地、草津にいる。』
「な、なぜそんなとこに……」
クルツは得意げに答えた。
『ナンパだよ。ナ・ン・パ』
「お前らしいな…」
宗介が呆れたように言った。
『だけど今俺のいるところからお前のいるとこまで時間はかからん。大体五時頃に着くだろうよ。』
「分かった、では待っているぞクルツ。」
『おうよ!』
とりあえず安心だ……宗介が安心していたところ
そのころトイレの外にて……
『ニャー、ニャー』
「お、黒猫だ。かわいいな~。」
窓枠にいつの間にか現れた黒猫を見て千鳥はのんきなことを言っていた……
そんな事があった後すぐに宗介がトイレから出てきた。
「お、ソースケ何だったの?」
「うむ、次の作戦があるから三日以内にダナンに戻って来いだそうだ。」
「ふ~ん、そうか……」
そこまで言ったところで千鳥が宗介に抱きついた。
「ち、千鳥!?」
「……旅行中は大丈夫なんだよね?またいつかの時みたいにいなくなったりしないよね?」
「ああ、大丈夫だ。決してそんなことはない。」
「ほんと?」
「ああ、ほんとだ。」
「信じていい?」
「ああ……。」
二人はしばらくの間抱き合っていた。
――そして1727時――
「遅い……」
宗介が嘆いていた。クルツは1700時に着くと言っていたのに……
そんな事を考えている間に宗介の”携帯電話”が鳴った……
宗介は公私混同しないように携帯電話も持ち歩いていた。
タラリラリ~♪
きれいな着メロが流れた。
千鳥に強制的に変えさせられた着メロだ。なぜかと言うと……前の”マグナム銃の発砲音”を着メロにしていたとき、街中で大音量で流れ、本物と間違えた住民が通報し警察沙汰になったからだった。俺は結構気に入っていたのだが……
『だれだ!?』
「おう、俺だ。」
『クルツか、いつになれば来るのだ、千鳥に怪しまれていてあまり一人になれないというのに……』
おうおう、宗介が慌ててる。実際に見てみたいもんだな……
クルツは高速道路の”渋滞に巻き込まれた車の中”でのんきにそんな事を思っていた。
「宗介、悪い知らせだがそちらの方にいけそうに無い。」
『な、なんだと!?』
大きな声で宗介は聞き返してきた。近くにいた千鳥にも聞こえた様子で後ろから『ソースケ、どうしたの!?』などと言われていた。
「しょうがねえよ。帰省ラッシュってやつで車が全然進まねえんだよ。」
『じゃあ、俺はどうすれば……』
絶望に打ちひしがれた様な声で嘆いていた。
「まあ、残った道はかなめに協力してもらうしかねえな。」
電話越しに宗介が困っているのがなんとなく分かる。
『……まあしょうがないな。それで行くしかないな……』
「おうがんばれよ。応援してるぜ。じゃあな」
『おい、ちょっとまだ聞きたい事が……』
プチッ、ぷーぷーぷー。……き、切られた。
まあしょうがない、クルツの言ったとおり千鳥に説明して協力してもらおう。
―――部屋にて―――
宗介は千鳥と机をはさむ形で向かい合っていた。しかも真剣な顔つきで……
「千鳥……君に……話したい事がある……」
「な、何なの?そんな真剣な顔して……」
千鳥は宗介のあまりに真剣な態度に半ば引きながら聞き返した。
「前から思ってた事だが、俺は君の事……」
「え?ソースケ?」
ま、まさかソースケは……す、好きって言おうとしてるのかしら……
千鳥は顔を真っ赤にして宗介に聞き返した。
「俺は君の事すごく信頼している。」
「うん。」
ついに言ってくれる……
「それを見込んで頼みたい事がある。」
「……は?」
「しっかりと落ち着いて聞いてくれ。今からちょっと訳ありでテッサがここに来てしまう。」
「はあ!?」
予想外の言葉に拍子抜けを感じてまくってしまった。そして
すぱぁん、すぱぱぱぁん、すぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん。
いつも以上に叩く量が多かった。
「か、かなりきいたぞ……千鳥。」
「なんで、なんであんたっていつもこういう時に限ってあれこれと面倒事を……」
「す、すまない。しかし理由を聞いてもらえれば君ならきっと分かってくれると俺は信じ……」
宗介がそう言ったところで……
「あんたはいっぺん死んで乙女心を一から学びなおせ!!!」
その時千鳥の拳が唸った。
どかっ!ばきっ!ずごんっ!……
凄まじいパンチの嵐もしもここに恭子がいたら『カナちゃんやり過ぎ……』と言っていただろう。
「な、なぜ話も聞いてくれないの、だ……」
どさっ……
宗介は悶絶した。
千鳥は、
「あんたとクルツ君を足して二で割れば丁度良くなりそうなのに……」
と、正論になりそうでならなさそうな事を言った。
窓の外で黒猫が三匹に増えてそれぞれ鳴いていた……
そう、まるでラストラプセディー(最後の狂想曲)を奏でるように……
まだまだ続きます……
あとがき
最初に一言。すみません!三話じゃとてもじゃないけど終わりませんでした。やっぱりテッサを急に出したのが原因だと思います。(別に嫌いなわけではない)と言う訳でたぶん五、六話位いっちゃいそうです。(しかも最後の展開全然考えてない……[汗])ところで作品のコメントを、クルツのみならずマデューカスも出てきました!いや~図らずしもミスリルのメンバー結構出てますね……もしかすると、あのア○ド○イ・セ○○イビ○チ・カ○○○ンさんもでるかも(出ないかも……)やっぱりテッサ出すとこうなりますね。じゃあ次の話お楽しみに~!(最後の一言・なんか(……)使うのがが多いな……。)