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2014.02.20 11:01

曇りと雨の後には 第2話 by がい

その日、千鳥かなめと常盤恭子は東京のとあるショッピング街を2人で歩いていた。
無論、目的は買い物だ。
服は勿論、今時の女子高生が持っている小物やら何やらを買い込み、ゲームセンターで遊んだり、他愛もない話をしながらジャンクフードで腹ごしらえをしたり。
雨が降ってきていたが、傘は所持していたので全く問題はなかった。
「ぁー・・・・鬱陶しいわねぇ・・・・。」
かなめが何となく呟く。
「あはは、しょーがないよ。夏は梅雨とかで雨降りやすいんだし。」
その呟きに恭子も反応を返す。
「まあ、そうなんだけどね・・・・。でも、週末休日くらいは晴れて欲しいわよ。」
「んー。確かにそだね。でも、雨降らないと農家の人も困るし。」
「むー・・・・。」
「カナちゃんの好きなカレーライスの「ライスの部分」が無くなるのは嫌だよね?」
「うっ・・・・。でも、そんな大げさな――――」
そこまで言って、かなめは自分のポケットに入れてある携帯電話が着信音を発しているのに気がついた。
携帯の液晶に「相良宗介」という名前が映っている。
「ソースケじゃない・・・・。」
「へー。珍しいね。相良君から電話がかかってくるなんて。」
「そうねぇ。・・・・もしもし、ソースケ?どうかした?」
『む、千鳥。今何処にいる?』
電話の向こうの宗介はどことなく焦っているような気がする。
初めて出会ってから数ヶ月。
宗介とかなめの付き合いは日数的には短い。
しかし、その内容があまりに濃いためか・・・・。
かなめには宗介の感情の流れが、声だけでもある程度ではあるが、読めるようになっている。
「何処って・・・・。まだキョーコと買い物真っ最中よ。何で?」
『そうか・・・。では大佐殿から電話がかかってこなかったか?或いはメールでも構わないが。』
「テッサから?別に電話もないしメールも着てないけど?・・・・てか、あの子携帯ないでしょ。」
『むっ・・・・。そうだった。・・・・・いや、すまん。邪魔をした。』
「ちょっと、どうしたのよ・・・・・って。切れちゃった。」
「何?テッサちゃんがどーかしたの?」
かなめは携帯電話をポケットにしまいつつ、
「さぁ?ソースケの奴、なんか焦ってるようだったけど。」
「喧嘩でもしたのかな?」
「在り得る様な在り得ないような・・・でも、あのトーヘンボクがテッサと喧嘩するかしらね・・・。」
「あはは、痴話喧嘩とかでないのは確かだよね。」
「まあ、ね。」
(ったく。何やらかしたのやら・・・・。)
「あれ?カナちゃん・・・もしかして嫉妬?」
「ばっ・・・・馬鹿なこと言わないでよっ!どーしてあたしがテッサに嫉妬なんて・・・・」
「あれぇ?あたし、一言も「テッサちゃんに嫉妬」とは言ってないんだけどな~?」
「ぬっ・・・・・・!」
「あはは。カナちゃんってわかり易~。」
「か、からかわないでよ!」
そんなやり取りをしつつ、2人は街を歩いていった。

なんであんなこと言っちゃったのかなぁ・・・・・。
テッサは雨が降りしきる中を一人、とぼとぼと歩いていた。
ほんのちょっとした一言で逆切れして。
帰ります、と大声で叫んで、その上思い切り相良さんの頬を引っ叩いて。
彼の弁明も聞こうともしないで。
相良さんに・・・完全に嫌われたに違いない。
解っていた。何故彼がストレス云々と言ったのか。
要は自分だ。
自分が宗介に事前に「お世話になります」と連絡もせず、拒否することもしないだろうと考え、現実に甘えた結果がこれだ。
確かに、宗介のような生真面目な下士官が、雲の上の存在くらい階級が高すぎる存在にお願いやら命令やらされたら、断ることなどできはしないだろう。
宗介でなくてもできないに違いないだろうが。
本当に嫌な女だ、私・・・・。
自己嫌悪、嫌われてしまったという絶望感・・・・・。
そういった暗い感情がテッサの頭の中でぐるぐる回って、終わりの無いサイクルを作り出す。
暗いほうに、暗いほうに考えが行ってしまう。
もう駄目だ、死んでしまいたい、との考えに行きつくのも時間の問題かもしれない。
しれないのだが・・・・・。
しかし、今のテッサにはそれと同じくらい深刻すぎる現実問題があった。
「・・・ここ、どこなんでしょう・・・・?」
テッサは当たりを見回しつつ、小さな声で呟いた。
道に迷う・・・・というか、簡単に言えば迷子である。
喧嘩したときは気がつかなかったが、どうも反対方向に走ってしまったようだ。
滅茶苦茶に走り続けたから、ここがどこかさえ解らない。
解るのは、人通りの少ない静かな住宅街、ということくらいだ。
それぐらいに人数が少ない。
時折、すれ違う人もいるのだが、傘も差さず、とぼとぼと歩いてるテッサを怪訝な目で一瞬見るだけだ。
テッサは傘を持っていなかった。
曇ってるな、くらいは思っていたが雨が降るとも思っていなかった。
「はぁ・・・・。」
もう、何度目かも解らないため息をつく。
「・・・どうしたらいいんだろう・・・。携帯電話なんて持ってないですし・・・・通信機を使うわけにも・・・。」
うな垂れるしかない。
「何とか駅方面まで行くことができれば・・・・・。」
駅まで帰ることが出来れば、マンションまでは帰れるだろう。
数日間とはいえ、通学で通る場所だから、駅までたどり着ければ何とでもなる。
もう、こうなったら人に道順を聞くしかない。ないのだが・・・・・。
何故か、そう思った瞬間に人通りがまったく無くなってしまった。
タイミングが悪いというかなんというか。
しかし、だ。
もし駅までたどり着いて、相良さんの住んでるマンションまで帰れたとして。
許してもらえるだろうか?
謝って、それで許してもらえるのだろうか?
全面的に悪いのは――――私だと思う。
逆切れして、思い切り頬を叩いてしまった。
でも、遠まわしに迷惑と言われたことがどうしても辛かったし、悲しかった。
今、会うのはどうにも辛すぎた。
謝りたい、でも顔を合わせるのが辛い。
「本当にどうしよう・・・・・。」
とぼとぼと歩いていたら、小さな公園が目に映った。
「・・・・・・。」
その公園にふらふらと向かうテッサ。
特に何かがあるわけでもないが、何故か足が向いていた。
そこは別段代わり映えの無い、本当に小さい公園だった。
ベンチが少し置いてあり、小さな滑り台、小さな砂場、お世辞にも整備されてるとは言えない植え込みなど等。
さっきまでこの辺りに住む子供たちが遊んでいたのだろうか、砂場にはおもちゃのスコップやバケツが置き去りにしてあった。
「・・・はぁ・・・・。」
ベンチにでも座ろうと思ったが野ざらしの為、雨でずぶ濡れ。さすがに座る気になれない。
ここにいても仕方ない、そう思って公園から離れようとした瞬間。
にぁぅ・・・・・・・という鳴き声がテッサの耳に届いた。
「え?・・・・。猫の鳴き声・・・・・・?」
にゃぁ・・・・・にゃぁ・・・・・・
間違いない、猫の鳴き声だ。
でも、どこから?
「むー・・・・。野良猫さんかしら・・・。」
野良猫同士で喧嘩してるような殺気だった感じでもない。
「えーと・・・・何処に・・・・。」
テッサは周りを見渡すが、猫らしき動物はいない。
滑り台の下と砂場にはいない。
・・・・植え込みの辺り、かな。
そう考え、植え込みの中のほうを覗いてみる。
「あ・・・・ダンボール。」
そこには小さなダンボールがあった。
蓋はほんの少し開いてるようだ。
「・・・・・。」
そっとダンボールの蓋を開けてみる。
「・・・にゃぁ・・・・。」
「・・・・やっぱり。」
そこには仔猫が一匹うずくまっていた。
ご丁寧に、ダンボールの中に布を敷いてある。
「全く・・・・誰かしら?」
テッサは仔猫を抱き上げてみた。
まだ生まれてそう日が経ってないのだろうか、手のひらの上にでも座れるような仔猫だ。
「にゃあう・・・・。」
仔猫がテッサの顔を見上げつつ、喉をごろごろ、と鳴らしていた。
「・・・あなた、こんな所でどうしたの?ご主人に捨てられた?」
「みぃ・・・・。」
猫の顔を撫でながらテッサは仔猫に喋りかけた。
別に猫の言ってることが解る訳ではない。
ただ、喋りたかった、という程度のものだ。
「ふふっ・・・。そっか、あなたも・・・・私と同じで1人ぽっちなのね・・・。」
そして、テッサは暫くそのまま立ち尽くしていた。
仔猫を抱きつつ、静かに公園を離れたのはその数分後のことだった。
そして、また当ても無く歩き続けるテッサであったが・・・・運よくそこに、人が通った。
曲がった背中、杖をつき歩く、老夫婦(と思われる)だ。
最も、傘をさしている。
2人とも着物を着ており、物静かな印象を受ける。
(・・・駅の居場所くらいなら知ってますよね・・・・。)
そう考え、テッサは声をかけてみる。
「あの・・・。すいません。少しお尋ねしたいことがあるのですが・・・。」
「あー・・・はいはい。何でしょうか・・・?」
老婦人・・・つまりお婆さんだが、返事をする。
もう80も半ばと言ったところだろうか。腰が折れ曲がっているが中々元気そうだ。
ずぶ濡れな上、仔猫を抱いたままのテッサを怪訝そうな顔で見つめているが、それでも穏やかな感じな女性だ。
「勧誘とかはお断りですよ・・・・。」
「あ、いえ。そういうのじゃなくてですね。」
「ほほほ・・・・。まあ、その前に雨で濡れない場所に移動しましょうかねぇ・・・。」
「あ、いえ・・・。すぐに終わる用件ですし・・・・。」
しかし、そこで隣の老紳士・・・おそらく旦那さんだろうが――――今まで静かだったのがいきなり叫んだ。
「日本の造船技術あーんど戦闘能力は世界一ぃぃぃいいぃぃぃぃっ!!!!!」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
テッサは何事かというような顔で、お婆さんは「やれやれ、またか」といった顔でお爺さんを見つめる。
「ああ、すいませんねぇ・・・。少し静かにさせますので・・・・。」
「え?静かにって何を」
テッサが言い終わらぬうちに、お婆さんは杖でお爺さんの頭を叩いた。
「ごふぁっ!?」
すこぉんっ、という音の後に叫び声。
「・・・・えっ!?ちょ、ちょっとお婆様・・・・・!」
「ああ・・・・これくらい日常茶飯事ですから・・・・。」
(日常茶飯事って・・・・・。)
「申し訳ありませんねぇ・・・。」
「い、いえ・・・・・でも、大丈夫なんですか?旦那様・・・・ですよね?」
「ええ・・・・・ですがこの程度で死ぬほどやわじゃありませんよ・・・。」
「杖で頭叩かれたら普通に死ぬと思うのですが・・・・・。」
「はて・・・・ここはどこじゃったかいのぅ・・・?」
「・・・・・・・・。」

心配は必要ないようだった。

くっ・・・。俺は何故・・・・大佐殿にあんなことを言ってしまったのだ・・・・・!
雨の振る中を傘もささずに、宗介は住宅街へ向かい走っていた。
テッサに叩かれた後、しばらく立てなかった。
それは8割以上が「電柱にヘッドバットを仕掛け」た為であったのだが。
だが、それ以上に自分の不甲斐なさ、あまりの情けなさを理解したためでもあった。
別に大佐殿が悪い訳じゃない。
自分自身が馬鹿みたいに気を張りすぎて、そのせいでストレスが貯まって、そのせいで倒れて。
千鳥や大佐殿に看病されて、挙句の果てに大佐殿に八つ当たり同然の言葉を吐いて。
全て自分に原因がある。
完全に軽蔑されたに違いない。
「くそっ・・・・!ウルズ7だと?笑わせてくれるな、相良宗介・・・・!」
自分に罵倒を浴びせつつ、それでも彼は走り続けていた。
謝罪しなくては。
ただそれだけだった。
許してもらえなくても、それはそれで構いはしない。
しかし、どうしても一言「申し訳ありません」と言わなければ、気が済まない。
気絶から醒めた後にテッサの行方を知るために千鳥に電話をかけてみたが、結局解らなかった。
ならば、と聞き込みをした結果「住宅街の方へと歩いていった」という情報を得た。
大した距離ではないが、あちこちへと歩き回ってるだろう。
急がなければ。
気絶した時間そのものは短いとは言え、聞き込み云々で1時間近くは経過している。
そして更に走る速度を上げる宗介であった。

「で・・・・何をお聞きになりたいのですっけ・・・・」
「・・・・・はっ!?」
お婆さんの言葉に我に帰るテッサ。
「あ、あのですね。私、ちょっとした事情で道に迷ってしまいまして・・・。」
「ほぅほぅ。お嬢さんは外人さんですねぇ・・・・。旅行者さんですかいのぅ・・・?」
「ええ・・・そんなものです。この辺りの地理に詳しくないものでして。」
「なるほど・・・。」
「それでですね、もし宜しければ、駅までの道のりを教えていただけないものかと・・・・。」
「ええ、ええ・・・・構いませんとも・・・・・。駅までの道のりは・・・・・」
数分後、お婆さんの説明のおかげで駅までの道のりを何とか理解したテッサは、
「ありがとうございました、お婆さま。なんとかなりそうです。」
「いえいえ・・・・。なんてことはありませんよ・・・・。」
そして頭を下げ、そのままテッサは駅まで向かおうとした。
したのだが・・・・。
「おお・・・・婆さんや、そのお嬢さんはどなたじゃね・・・・?」
それまでボケてた(失礼)お爺さんがいきなり声をかけてきたのだった。
「お爺さん・・・・このお嬢さんがね、道に迷ったそうでしてね・・・・・。駅までの道のりを教えて差し上げたんですよ・・・。なかなか礼儀正しいお嬢さんでねぇ・・・。」
「おお、おお・・・そうかそうか。死んだ婆さんの若い頃にそっくりな、別嬪さんじゃぁ・・・・・。」
「お爺さん、あたしゃまだ死んじゃおりませんよ・・・・。」
「え、えーと・・・・・。」
「お嬢さんほどの別嬪さんを見るのは久々じゃのぅ・・・・どうじゃね、これからわしと」
すこぉんっ!!!・・・・・・・どさっ。
(・・・・このお爺様とお婆様・・・・ウェーバーさんとマオにどことなく似てる様な・・・・)
お婆さんの杖で頭を叩かれ、昏倒したお爺さんを見たテッサは少し失礼な考えを抱いたのだった。
「あ、あのー・・・・」
「ああ、はいはい。お気をつけてくださいね、お嬢さん・・・・。」
「あ、はい。本当にお世話になりました。・・・ほら、あなたもお礼を言いなさいね?」
「にゃぅ?」
テッサの言葉を聴いて、仔猫は首をかしげる様な仕草をした。

そして雨の振る中を、仔猫を抱きかかえたまま歩き始めるテッサであった。

「くそ・・・・どこに行かれたのか・・・・。」
宗介は困り果てていた。
情報どおり、住宅街を走り回っていたのだが、一向にテッサを見つけることが出来ない。
まさか、もう他の場所に移動されたのだろうか?
それならば、また聞き込みをしなくては・・・・。
しかし、人通りがほとんど無い。
聞き込みをしようにも、聞くべき人間がいないのではどうしようもなかった。
と、そこに老夫婦が通りかかった。
(む・・・・・聞いてみるべきだろうか・・・・。いや、僅かでも可能性があるのなら・・・。)
「あの、申し訳ありません。」
意を決し、宗介はその老夫婦に声をかけてみた。
「はいはい・・・・どちらさまでしょうか・・・?」
老婦人・・・お婆さんが答える。
傘をささずにずぶ濡れの宗介を見て、ほんの少しだけ怪訝な表情だ。
「は、少々お聞きしたいことがありまして。人を探しているのですが・・・。」
と、そこで隣にいた老紳士・・・・お爺さんが、
「ドイツの科学力は世界一ィぃぃいいぃぃぃいいいいいいっっ!」
と叫んだ。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・は?」
お婆さんは「まったく、これで何度目ですかねぇ・・・・」と呟きつつ、手にした杖でお爺さんの頭を思い切り突っついた。
ずごっ。という鈍い音がして「げらばぅっ!」と変な断末魔(?)とともにお爺さんは崩れ落ちた。(雨が降ってるのに・・・・・)
「あの・・・・大丈夫なのですか?」
「ええ・・・・・さっきも同じことがあったもので・・・・。」
「・・・・日常的にあるということですか・・・・。」
宗介は哀れみの目でお爺さんを見た。
いつもかなめのハリセンで叩かれる自分の姿と重なったからだ。
「むむぅ・・・・なんか、さっきも叩かれたような・・・・」
「気のせいですよ、お爺さん・・・・・。ところで、どのようなご用件でしたかねぇ・・・・?」
「あ、ああ・・・・人探しをしておりまして。」
「はぁ・・・・。」
「年のころは16・7くらいで、髪の色が・・・・銀色というか白色というか。そして――――」
宗介は手短にテッサの特徴を話した。あまり期待は出来ないが。
「ああ・・・・さっきのお嬢さんですかねぇ・・・・。」
「こ、心当たりがあるのですか!?」
「ええ、名前までは知りませんがねぇ・・・・・多分、そのお嬢さんですよ・・・・。」
「では、どこに行かれたかご存知ではありませんか!?」
「ええ、さっき駅までの道順を教えて差し上げましてねぇ・・・・。」
「では、駅に向かったのですね?」
「ええ。随分と礼儀正しい娘さんでしたよ・・・・。」
「解りました。情報の提供に感謝します。それでは!」
敬礼をして、宗介はまた駅へと走って行った。
その後姿を見ていたお婆さんが感慨深げに言った。
「ほほほ・・・・このごろの若者は乱暴なだけかと思っておりましたが・・・・礼儀正しい若者も残ってるのですねぇ・・・・。」
「そうじゃのぅ・・・・ワシは納豆には醤油がええのぅ・・・・・。」
「・・・・・・。」
その後、杖が唸りを上げたのは言うまでも無い。

「はぁ・・・・はぁ・・・。」
テッサはかなり、というか・・・・大変疲れ果てていた。
いや、疲れというより体がだるいのだ。
寒気が止まらない。
頭痛がする。
有り体に言えば、風邪を引いてしまったのだ。
無理も無い。宗介やクルツ、メリッサであればともかく、テッサの体力は常人並かそれ以下だ。
それなのに、長時間雨に打たれ続けていたのだから・・・風邪を引かないのがおかしい。
頭が熱い、悪寒がする、考えが纏まらない。
テッサは朦朧とする意識の中、それでも仔猫を抱きかかえたまま、ふらふらと駅まで歩いていたのだった。
だが、今のテッサはもう1つ問題を抱えていた。
それは帰り道がわからないとかそういうことではなく、今の彼女の外見である。
雨でずぶ濡れになり・・・・ワンピースが体にぴったりと張り付いているのである。
小柄で華奢な体、淡く膨らんだ胸。
体の線が丸解りなのだ。
仔猫もずぶ濡れであるが、テッサに抱きかかえられたまま大人しくしている。
「はあ・・・・はあ・・・・・。うぅ・・・・。」
息も荒くなってきた。
歩くのは勿論立ってるのも辛い。
たまに仔猫が心配そうにテッサを見上げて「にぁ・・・・・」とか鳴いている。
「大丈夫。大丈夫だからね・・・・。」
仔猫にそう語りかけるテッサ。
と、そこに。
「お、可愛いお嬢ちゃん。どうかしたのかなぁ?」
3,4人の若者・・・・不良というかチーマーと言うか。
何にせよ、柄の宜しくない連中がテッサに声をかけてきた。
「う・・・・なんですか・・・?」
朦朧としつつも、テッサは答える。
「ねぇ、お嬢ちゃん、今1人だよねぇ?おまけで汚い猫連れてるけどさ。」
「・・・・・・・。」
「俺たちと遊びにいかない~?おっと、健全な遊びじゃないけどな・・・。」
「ばーか。そんな誘い方で誰がついてくるかって!」
下品な誘い方に、仲間のチーマーが大笑いする。
「・・・・・・・・。」
テッサはむっつりと黙って、その場を通り過ぎようとした。
「おーっとぉ。どこへ行くのかなぁ~?」
「う・・・・・。」
目の前に立ちはだかる男たち。
駄目だ、逃げれない。
普段であれば、宗介やかなめが側にいたので恐れる必要も無い相手だ。
しかし、その2人は今ここにはいない。
「ほら、そんな汚ねー猫なんて捨てろって。」
男たちの1人がテッサから仔猫を取り上げようとする。
「あ・・・やめてください!」
テッサは仔猫に触られないように庇おうとする。
「あぁ?うっせぇ!」
「あっ・・・・・」
だが、やはり男性の腕力にはとても敵わない。それでなくても風邪を引いているのに。
「大体よ、お前のせいなんだぜ?そんな格好で俺たちの目の前を通るからよ。」
「そーそー。俺たちは、何つうの?寂しいお嬢さんを慰めてあげようとしてるだけなんだぜ?」
男たちは身勝手なことを言い始める。
「う・・・ぅ・・・・。お願いです、その子を返して――――」
「へっへっへ。俺たちに付き合ってくれれば返してやるぜ・・・・」
「・・・・・。」
なんて醜悪なんだろう。
どうしてこうも救いようが無いほどに頭の悪い連中なんだろう。
相良さんのほうが断然男らしくて、強くて、格好よくて。
そして優しい。
(・・・・・相良、さん・・・・・。)
助けて欲しい、側にいて欲しい。
だが彼にはここにいない。
なんで自分はこうも無力なのだろう?
何故、あの仔猫すら助けてあげれないのだろう。
何故――――自分1人の力では何も出来ないのだろう?
「さあて、そいじゃ行こうか?なぁに、優しくしてやるよ。まずはホテルからどーお?げっへっへ・・・・ぁ?」
下品な笑い声をあげていた男たちだったが、途中でそれが止まる。
誰かが背中をとんとん、と叩いていたからだった。
「んだよ、うぜぇなあ・・・・。ぶがっ!?」
そう言って後ろを振り返った不良の中の1人が顔面に拳を叩き込まれて吹き飛んだ。
「あぁん!?何だテメーはぁ!」
「っのヤロォ、やりゃーがったなぁっ!?」
口々に叫びだす不良たち。
そしてその後ろに立っていたのは相良宗介だった。
「あ・・・・・。」
(相良・・さん?え・・・でも、どうして・・・・?)
テッサは混乱していた。
何故ここにいるのだろう?
追いかけてきたのだろうか?
弁解も聴こうとしないで、叩いた私を・・・・追いかけてくれたのだろうか?
その宗介であるが、誰の目から見ても解るくらい怒りのオーラを放っていた。
むしろ殺気といったほうが正しいかもしれない。
「貴様ら・・・・・!」
そんな宗介を見て不良どもは一瞬身を引いたが、すぎに気を取り直して、
「けっ、こっちは3人いるんだ。やっちまえっ!」
と、ありがちな台詞を吐き、ありがちな突撃をしていった。
結果は言わなくても解るものだが、宗介にあっさりと叩きのめされた。
銃器など無くても宗介は充分強いのだ。
相手が弱すぎた、というのも理由の1つだったりする。
そうして、ありがちな不良たちはその場で全員気絶したのだった。
「ふぅ。・・・大佐殿、遅れて申し訳ありませんでした。」
「相良・・・さん。」
ふらふらと宗介の側まで歩いていくテッサ。
「自分は」
と、そこまで言って宗介は慌ててテッサから目を離した。
「・・・どうか、しましたか?」
「は、いえその、なんというか。服、というか・・・あー・・・・。」
そういえばワンピースが体に張り付いているような。
と、いうことはだ。ボディラインが丸わかり・・・・?
そこまで気づいたテッサは両腕で体を抱くようにして、胸を隠した。
「あ・・・・!これは・・・。」
「そ、その、大丈夫です!自分は何も見ていません!」
だが、そこまでだった。
助けてもらった嬉しさのためか、今までの緊張感がいっきに途切れたのか。
テッサは意識が遠のくのを感じた。
(あ・・・れ?・・・なんだか、足元がふらつくような。・・・なんで宗介さんの胸が顔に近づいてくるんだろう?なんで――――)
ぽふっ、という音がして、濡れたシャツの向こう側から暖かさを感じて。
(ああ・・・・。暖かい。休んでいいのかな・・・・。)
そう思い、テッサはゆっくりと目を閉じた。
雨は止んでいた。
曇り雲の合間からは幾筋もの光が差していた。まるで、テッサの心の闇を切り裂くがごとく。

「まーったく!あんた達はどーして、2人揃って問題を起こす訳!?」
かなめの怒鳴り声がで響いた。
「う、うむ。それはだな、千鳥」
「それわだな、ちどり。じゃないわよ!」
「・・・むぅ。」
かなめの怒声で反論らしい反論すらできないまま宗介はしょんぼりとする。
事実、彼女に迷惑をかけ通しであるので当然といえば当然だ。
「あの、かなめさん。お願いですから、相良さんを責めないでください。」
「解ってるわよ。・・・・・はぁ。しかし、あんた達が喧嘩するなんて、ね。」
ここは、宗介の住んでいる部屋。
テッサが倒れた後、宗介は彼女を背負い、マンションまで全力疾走してきたのだ。
その途中でかなめに携帯で連絡を取り、事情は話した。
買い物の途中だったが「大佐殿が風邪を引いたらしく、意識を失った」と聞くと彼女は恭子にそれを話し、すぐマンションまで来てくれた。
普段は好意を持つ人間にすら皮肉を言ったりする天邪鬼な少女ではあるが、何かあったら一番に駆けつける。
それが千鳥かなめであり、また友人達に愛される所以でもあった。
「ふふ・・・・。そうですね。」
テッサはベッドで寝ていた。
「まー、この馬鹿が悪いっていうのは解りきってることだけど?」
かなめは宗介の頭を小突き、文句を言う。
無論、それは事実なので宗介も反論できない。
「ところでさ、ソースケ。」
「む?何だ?」
「この仔猫、どうして一緒に連れてきたの?」
かなめが、テッサの眠るすぐ側でごろごろと喉を鳴らしていた仔猫の頭を撫でた。
「にぁ?」
「・・・うむ。大佐殿を背負って行こうとしたらだな、そいつが周りで鳴き喚いてな。・・・・大佐殿から離れようとしないので思わず・・・。」
宗介がテッサを背負って帰ってきた後だが、テッサ以上に宗介達の手を焼かせたのが子猫だった。
部屋の中で爪を研ぐ、小便をするetc・・・・・
かなめがテッサの体を拭いたり、頭を洗っている最中に、宗介は近くのショッピングセンターで猫のトイレやら餌やらを買い込む羽目になった。
「ふぅん・・・・。あ、もうこんな時間か。」
かなめが時計を見て呟く。
すでに時計の針は10時を指していた。
「じゃあ、あたしそろそろ帰るけど。ソースケ、変な真似すんじゃないわよ?」
「・・・・・(すると思っているのだろうか?)」
「テッサ、お大事にね。夏で暑いのは解るけど、ちゃんと布団に包まって寝なさいよ?あと薬はちゃんと飲むよーに。」
「ええ。解ってます。ご迷惑をおかけしてごめんなさい。」
「あはは、迷惑だなんて思ってないって。じゃ、また明日ね。」
そう言って、かなめは部屋から出て行った。
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・にゃ?」
気まずい沈黙。
「「あの」」
テッサと宗介の声が重なる。
「あっ・・・。その、相良さんからどうぞ?」
「い、いえ。大佐殿こそ。」
「・・・・・・にぃ」
またしても訪れる沈黙。
だが、それはすぐに破られた。
「・・・ふふっ。」
「・・・ふぅ。参りました。」
自然に笑顔になる2人。
「大佐殿。」
「はい?」
「その。・・・・昼間は申し訳ありませんでした。」
「いえ・・・。謝罪しないといけないのは私のほうです。ごめんなさい、相良さん。」
二人が同時に頭を下げる。
「これで・・・・仲直り、ですよね?」
「いえ、自分は怒ってなどいません。ですから・・・・頭をお下げになるのをおやめください。」
宗介は少しずれた返事をする。
(そういう事じゃないのだけど・・・・・。)
しかし、そういう宗介の鈍いところもテッサは好きだった。
「ところで、大佐殿・・・・。その猫はどうするつもりです?」
「・・・・え。」
すっかり忘れていた。
たしかに、どうしよう?な問題だ。
このマンションは別段ペット関係には五月蝿くない。
かなめだってハムスターを飼っている。
だが、宗介に世話をしてくれ、というのはどうも言いにくいことだった。
彼には任務がある。
「ウィスパード」である千鳥かなめを守るという任務、場合によってはASのパイロットとしても戦わなければならない。
そんな彼に動物の世話をする時間があるだろうか?
自分の側で嬉しそうに喉を鳴らす仔猫をじっと見つめてテッサも、そして宗介も思案にくれていた。
「大佐殿。」
「は、はい?」
「この猫に名前はあるのですか?」
「え、名前、ですか?」
いきなり別の方向に話を振られ、少し戸惑うテッサであったが、少しだけ考え――――
「・・・・そうすけ」
と、小さな声で呟いた。
「・・・・は?」
「あっ・・・、いえ、その、何でもありません!!!」
言いつつ、布団を頭まで被ってしまうテッサ。
「・・・・・そうか、お前の名前はそうすけと言うのか。」
宗介が「そうすけ」を両手で抱きかかえる。
「・・・・お前は・・・雌か。雌なのに、俺と同じ名前とは。可笑しなものだ。」
(・・・・・・・くすっ。)
布団の中からテッサは忍び笑いをした。
なんというか、やはりずれている。
「・・・・お前、ここに住んでみるか?新しい飼い主を探すまでの間だけでも。」
「にゃぁ?」
(え・・・・・・。)
思いもかけない言葉にテッサが少し驚き、仔猫は首を傾げる様な仕草をした。
「無論、俺にもやらねばならない事があるからいつも世話をしてやれん。だが、それなら千鳥に頼むなりペットショップに預けるなりすればいい。」
仔猫、というよりもテッサに語るように言葉を続ける宗介。
「・・・・大佐も構いませんか?」
その言葉に、ずりずり、と頭を出したテッサがこくり、と頷く。
「・・・・やっぱり、相良さんって優しいです。」
「そうでしょうか?」
「ええ、とっても。」
「・・・・むぅ。」
「・・・・・・ん。」
テッサは少しだけ、意識が霞むのを感じた。
「?・・・。どうかなさいましたか?」
「え、ええ。さっき飲んだ薬が効いてきたのか・・・眠くなってきました。」
「そうですか。・・・・ではごゆっくりお休みください。」
「ええ。そうします。こじらせたりしたら厄介ですし。誰かに感染す(うつす)のも嫌ですしね。」
「では、お休みなさい。大佐殿。」
「ええ。お休みなさい、相良さん。」
そして、宗介はリビングへと歩いていった。
「そうすけ」はまたテッサの側へやってきて寝転んだ。
その「そうすけ」の頭を撫でつつ、テッサは目を瞑る。
テッサは少しだけ思い出していた。
実は、気絶した後テッサは一度だけ目を覚ましていたのだ。
宗介の背中で。
自分と同じように、宗介の服もずぶ濡れだった。
だが、不思議と寒さも冷たさも感じなかった。
感じたのは、心地よい暖かさ。
宗介の胸にもたれた時に感じた、あの感覚だった。
(暖かい・・・・気持ちいいなぁ・・・・。)
そこで、また意識が途切れてしまったのだが。
そこまで思い出したところで、更に猛烈な眠気が襲い掛かってきた。
(今日は・・・・・あの夢は見ないですむかな・・・・。)
何度も見たあの悪夢。
何度も同じ光景が繰り返され、何も出来ず、ただ自分の無力だけを痛感させられるあの夢。
ただ、今日は、今日だけはあの夢を見ずにすむ。
何故か、そんな風に思えた。
そして、その思いは間違いではなかった。

彼女が見た夢は、ありきたりな夢だった。
普通に学校へ通学し、友人たちと他愛も無いことで笑ったり、泣いたり。
好きな人の事で少しだけ胸をときめかせたり、放課後に友人と遊びに行ったり。
そんな何気ない日常を描いただけのものに過ぎなかった。
だが、それは――――――。
テッサが何よりも望んで止まない、年頃の少女としての日常。
彼女にとっては、とても楽しい夢だった。

その次の日。
朝、かなめがテッサの容態を気にして宗介の部屋へと来た後、少ししてメリッサが宗介の部屋へとたどり着いたのだった。
たどり着いたのだが、開口一番、
「ソースケ!?きっちり押し倒したんでしょうね?」
だった。
「あのな・・・・。」
宗介と千鳥は朝食の用意をしていた。
テッサはベッドで寝ていたのだが、ついさっき起きてきた。
熱も下がり、頭痛もほとんどなくなったようだ。
「ねー、テッサ。ソースケは優しくしてくれた?」
「え?ええ。相良さんはいつでも優しいですけど・・・・。」
「ね、どーだった?上?それとも下?ほらほら、おねーさんに教えなさいよ。」
「ちょ、ちょっとマオさん・・・・?」
かなめがジト目でメリッサに聞く。
「え?いやぁ、昨日の体験はどうだったのかなー?なぁんて♪」
「・・・・体験?」
「・・・・・!」
そのジト目を今度は宗介に向けるかなめ。
そして、その視線に怯える宗介。
何故だ、俺は何も悪いことはしていないのに。
「・・・・まぁ、テッサは風邪引いて寝込んでたんだから変な真似はしてないでしょうけどね。」
「えー?つまんないなぁ・・・・。」
メリッサは本気でつまらなさそうに言う。
その言葉にかなめも宗介も内心腹を立てた。
だが。
「そうですね・・・。どちらかといえば、私が上ですかね。」
「!?」
「!?」
「まぢ!?」
宗介の顔が青くなり、かなめの顔が赤くなる。
メリッサは・・・・嬉しそうだ。
「ちょ・・・・!それどーいう事、ソースケ!?」
「ち、違う!誤解だ!というか、何の話だ、上とか下というのは!?」
「えーと、それはね。」
「マオさんは変な説明しないでください!」
「と、とにかくだ、俺は何もしていないぞ、千鳥。」
「むむむ・・・・。」
確かに誤解かもしれない。
朴念仁のソースケがテッサに変なことをするというのはどうにも考えにくいことだ。
まあ、夜中に思いっきり逆上して踵落としを決めたのは・・・・反省しないといけないだろう。
だがそこに、
「ええ、相良さんって本当優しくしてくれて・・・・・。それに、その。」
「そ、それにって何よ!?」
「・・・・とっても、その・・・・。暖かかったです。」
テッサが真っ赤な顔で俯きつつ、しかしはっきりと言った。
憤怒、というか修羅の如き顔になるかなめ。
真っ青を通り越してなんというか、気の毒な位に真緑っぽい顔色になる宗介。
そしてそれを楽しそうに見つめるだけのメリッサ。(酷い・・・・)
「この・・・・・・!」
わなわなと震えつつ、かなめは地獄の底から響いてくるような声で続ける。
「こんのぉ!ハレ○チ学園主席卒業者めぇぇええぇええええっっっ!!!!」
「ち、違う!!俺は何もしてなぐぶはぁっ!?」
言うが早いか、宗介の顎に右拳でアッパーカットをクリーンヒットさせるかなめ。
その瞬間、宗介の意識は半分以上飛んでいる。
しかしかなめは容赦しない。
そのまま体を右方向へ回転させ、勢いをつけたハイキックを宗介の顔面へとヒットさせたのであった。
「ふぅっ・・・・。バロスペシャルと踵落としをマスターした私にはこれくらい朝飯前よっ!」
そして、2日連続でかなめの手(というか足技)により崩れ落ちる宗介であった。
慌てて宗介のもとへと駆け寄るテッサ、「またやっちゃった」という顔をするかなめ、そしてやっぱり見てるだけのマオ。
ある意味、平和な日常であった。

ちなみに「そうすけ」はというと。
テッサが寝ていたベッドで大の字になって寝ていたのであった。

この後も「そうすけ」が部屋を修羅場に変えたり、メリッサが面白半分でテッサをけしかけたり、その度にかなめの技によって宗介が崩れ落ちたりというドタバタがあるのだが――――
それは、また別のお話である。

~女神の来日~ 曇りと雨の後にはいつか晴れがやってくる(筈)編 後編 了

 

 


あとがき

いやぁ、どうでしたでしょうか。
なんというか、やっぱり説明不足で見ている人を納得させるような出来ではないのですが(汗)
足りない部分は皆様の脳内補完でお願いします(おい!)
何にせよ、これにて雲雨編は終了にございます。
オフィシャルとは全く別のIFストーリーなので、仔猫を出したりとか無謀なことをしてみたり・・・。
ですが楽しんでいただければ幸いです。
あと、かなめちゃん。
もしかして時と場合によっては宗介君よりも強いのでは・・・・?

さて、次のお話は・・・シリアスっぽくなるかも。
でもやっぱりお笑い部分はあるのでしょうけどね。
・・・・ソーテッサなんですけどね(遠い目)

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